第94章 成長
勇「いやあ、めでたいなあ!!」
由「お邪魔しますー。」
誕生日会は桜の両親も交えて行われ、勇之はそれはそれは舞い上がっていた。
由梨もいつも以上ににこにことしている。
「お父さん、お母さん。……あれ?プレゼントまだあるの?」
既に宅配で送られてきた服が大量にあった為 桜は勇之が持っている紙袋を見て首を傾げた。
由「貰いすぎても困るって言ったんだけれど…。ごめんね、桜。」
「ううん、想定内だよ。ありがとう。」
杏「お父様、お母様、いらっしゃいませ。む、プレゼントか!!」
桜の代わりに子供3人の面倒を見ていた杏寿郎が更に瑠火とバトンタッチして玄関に居る3人に駆け寄ってくる。
勇「ああ、つい店を見ると入ってしまうんだ。」
杏「お気持ち分かります。有り難いです。」
桜は杏寿郎がまだ自身の子供の服を買った事がなかった為、今の『分かります』は自身へ贈る服を買う気持ちについてなのだろうと悟った。
由「杏寿郎さんもすっかりお父さんらしい顔になったわねえ。」
「……そう?毎日みてるから分からないや。」
由「前は桜にだけ向けていた柔らかい顔を普段にもなさるようになったわ。」
それを聞くと桜は赤くなって『そうなんだ。』と小さく言い、両親を家へ招き入れた。