第94章 成長
幸い次の月の生理はきちんと来た。
それから桜の夜は更に忙しくなったが、桜はむしろ元気になった。
杏寿郎は子供が泣きだすと自身の意思で腰を止めなければならなかった為に少し辛そうであったが、いつも黙って桜と子供の側に寄り 世話をする様子を微笑みながら見つめていた。
そして2ヶ月になると慶寿郎と悠寿郎の首がすわる。
対して彩火はまだ支えてやらなければならなかった。
「2人の成長が早い…杏寿郎さんの血だわ……。」
そして6ヶ月になると男2人はハイハイを始め、つかまり立ちに挑戦するようになった。
彩火はそれをやっと出来るようになった "おすわり" で見ている。
そして真似をしようとしてよく後ろに転がりそうになり、慌てて桜や周りの家族に支えられていた。
杏「まるで桜を見ているようだな。」
杏寿郎がまた転がりそうになった彩火を支えるとおかしそうに笑う。
すると桜は少し赤くなった。
「彩火は至って普通です。慶寿郎と悠寿郎が特別早いだけですよ。」
杏「普通でないと言っている訳ではないぞ。ただ愛らしいと言っている。何度失敗しても転ぶところがそっくりだ。」
「う。」
杏寿郎に支えられた事が何度もあった桜は顔を真っ赤にさせて言葉を詰まらせる。
そこに瑠火が現れて杏寿郎の額を軽く叩いた。