第93章 念願の
「杏寿郎さんの声を聞いたらぽこぽこキックしました。そしてお腹の下の方を蹴られたので今は逆子になっているようです。」
杏「むぅ。今逆子になっているのはどちらなのだろうな。慶寿郎か、悠寿郎か、」
「蹴った!悠寿郎です!!」
まだどちらが後に産まれるのか分かっていないのにも関わらず そんな事を言って2人は笑い合った。
杏「いいか、悠寿郎は心がゆったりとした子になるようにと皆に願われたのだぞ。」
杏寿郎は早くも悠寿郎か慶寿郎かも分からない逆子に説教を始める。
桜はそれをにこにこと微笑みながら聞いていた。
そしてその説教が届いたかの様に逆子は戻り、翌日からはすっかり安定したのだった。
(お父さんは偉大だわ…。)
―――
更に1ヶ月経つと顔のパーツがしっかりとして表情が見られるようになった。
先生がエコーを使ってそれを2人に見せてくれた。
桜は妊娠してから現代も尚続いている煉獄家のしきたり、観篝を行っている。
それは1週間に1度、2時間程の間 大篝火を見るというものだ。
そうする事で煉獄家特有の髪色の子が産まれる。