第93章 念願の
「あはは。皆いい反応ですね。」
杏「うむ!!俺は6人共男の可能性は十二分にあると思っていたからな!!!」
「う…、」
桜が弱ったように眉尻を下げたのは『男は昆虫が好きだ』という杏寿郎の意見を思い出したからだ。
杏寿郎はそれにすぐ気が付き愉快そうに笑って車を出す。
杏「任せてくれと言ったろう!!その代わり君は女の子の話を聞いてやってくれ!俺は恐らく役に立たない!!」
「……恋愛相談とかですか?」
杏「気が早いだろう!!あまり苛めないでくれ!!!」
桜のからかう様な声に杏寿郎は早くも余裕の無い声を上げた。
由『もしもし、桜?メッセージ見たわよ。良かったわねえ。早まってプレゼントを買いに行こうとするお父さんを止めるの大変だったのよ。』
「ありがとう、お母さん。大事に育てなきゃね。お父さんは今どうしてるの?何をプレゼントしようとしてたんだろう。」
由『今は泣いて畳の上に転がってらっしゃるわよ。多分あと2時間は立ち上がれないから電話してても大丈夫。プレゼントは剣道の防具やらピアノやらって話してたわねえ。』
「…それは気が早いね。留めてくれてありがとう、お母さん。」
それから煉獄家へ着く直前まで桜は実母となんてこと無い会話をした。