第93章 念願の
由「あらあら、まあまあ!三つ子ですって、瑠火さん!!」
瑠「楽しみも3倍ですね。名前は考えているのですか。」
勇之と煉獄家に訪問しに来ていた由梨とその相手をしていた瑠火は報告をした2人に眩い笑顔を向ける。
「いえ、まだ迷っていて…、杏寿郎さんはセンスがないので一緒に考えて頂ければいいなと前から思っていたんです。可能ですか…?」
杏「むぅ。」
桜の意見に杏寿郎は少し不満そうな声を出した。
それでもここずっとそうであるように桜の体と心を気遣ってそれ以上は一切何も言わない。
一方、相談された母親2人は嬉しそうな顔をし、机の端で聞いていた父親2人は少し面白くなさそうな顔をした。
瑠「喜んで。」
由「あなた達の名前を付けたのも私なのよ。経験者に任せなさい!」
その由梨の一言で勇之は引き下がり、同じく杏寿郎と千寿郎の名を思い付けなかった槇寿郎も人知れず引き下がった。
「わあ!良かったあ。男の子はもちろん○○寿郎と名付けるつもりです。女の子にはお義母さまのように火の文字を入れたいです。煉獄家に相応しい燃えるような心を持った子に育つよう…。」
その意志を聞くと義理の両親は嬉しそうに微笑み、由梨も『それは良い案ね!』と賛成し、勇之は何も言わなかったが表情から察するに反対ではないようであった。
杏「君の希望が通ったようだな!!」
「はい!」
杏寿郎と桜はまた互いに手を握り直すと幸せそうに微笑み合った。