第93章 念願の
「頑張らなきゃなあ…。」
そう言いながら桜の為に開かれた飲み会で桜は暫くは飲むまいと決めている酒を飲んでいる。
場所はいつもの定食屋だ。
杏「心配するな。」
そう言いながら杏寿郎が桜の隣に座ろうとするとしのぶが遮って隣を埋めてしまう。
杏「胡蝶、」
し「煉獄さんは暫く桜さんを独占出来るのですからこの会では譲って下さい。」
卒業して生徒と教師のしがらみから解放された元鬼殺隊士達はほとんどが集まっていた。
杏寿郎はしのぶを見て少し眉を寄せる。
杏「職場で会えない分、俺と会う時間も減るのだぞ。」
し「暫く今しか会えない人も大勢います。」
蜜「そうね…私も学生の時みたいに遊びに行けたら良かったのだけど…。残念だわ……。」
「しのぶちゃん、蜜璃ちゃん…。」
3人での話が盛り上がり始めると杏寿郎は引き下がって男達の席へ戻った。
炭「おかえりなさい、煉獄さん!」
杏「うむ。ありがとう、竈門少ね…いや、少年ではなかったな。」
炭「あはは、何て呼んでも良いですよ。」
杏寿郎は何度も少年を付けて呼んでしまったが炭治郎はその度に裏表のない笑みを浮かべる。