第93章 念願の
その後、婚約の時同様その夜はそのホテルの最上階で過ごし、入籍、結婚式を終えた翌日から杏寿郎と桜は改めて新婚生活を始めた。
桜は杏寿郎から貰った白いフリルのエプロンをして毎日料理をし、その姿を見る度に杏寿郎はくっついて家事の邪魔をする。
「杏寿郎さん。少し重いですよ。」
杏「うむ、そうかもしれないな。」
確信犯の杏寿郎の腕をぽんぽんと撫でながらおたまでスープをかき混ぜ、桜は分かられないように小さく微笑んだ。
杏寿郎の甘える姿が愛おしかったからだ。
それでも毎回されては時間が掛かり過ぎてしまう。
「そろそろ危ないので離れてくださいね。」
杏「むぅ。」
そんな穏やかな生活がずっと続いた。
花見にも花火大会にも行ったが杏寿郎は桜をしっかりと守り切り、桜もきちんと自衛をした。
そして半年後にはカナヲとアオイ、1年半後には継子3人組と玄弥、2年半後には千寿郎、3年半後には無一郎が卒業し、鬼殺隊にいた学生達は皆卒業してしまったのだった。
無「寂しい?」
「……うん。時透くんが生徒じゃなくなるから言うけど やっぱり鬼殺隊の子達は特別だったよ。でも…、」
そう言う桜は27歳になっており、杏寿郎は33歳になっていた。