第92章 祝福の日
お色直しで桜が着たドレスは2人の意見が合致した桜色のドレスであった。
そしてよく似合うそれを愛でている杏寿郎の前で余興が始まる。
新郎 杏寿郎の友人からの出し物はありがちなダンスパフォーマンスだったが、天元のダンスはありがちでは無く その上手さとブレイクダンスの派手さから異彩を放っていた。
桜の友人からは思い出のサプライズムービーをプレゼントされ、桜は懐かしさと嬉しさから涙を流した。
そして桜の両親へ向けたスピーチではずっとぐずぐずと泣いていた勇之がとうとう号泣した。
桜の涙はそのせいで逆に引っ込む。
しかし読み終えて由梨、そして写真の中のみのると目が合うとまたぶわっと涙が溢れてしまった。
杏寿郎は終始堂々とした態度で笑顔を見せており、桜はその動じなさに感心した。
「……杏寿郎さんは…感動とか、しないのですか?」
少しも涙を見せない杏寿郎の心中が気になった桜はそう訊いてみる。
すると杏寿郎は眩い笑顔を向けた。
杏「しているぞ!感動し、そして嬉しくて仕方無い。嬉しくて喜ばしくて笑顔しか出て来ない!!」
「ふふ、杏寿郎さんらしいです。」