第92章 祝福の日
蓮「杏寿郎さん、前に見た時とまた雰囲気が違ったわね。」
菫「うんうん、びっくりするくらい格好いいよねえ。」
紅「私はあの特別体格が良くて手を合わせて泣いている男性が好みかも…。」
蓮&菫「「……そうなんだ。」」
式は無事に終わり、披露宴会場へ移ると再び2人が入場する。
桜は打って変わってリラックスしているように見えた。
理事長も出席した披露宴は当然彼からのお言葉も頂き、その独特な雰囲気から会場はしんと静まり返る。
「お館様の声って不思議ですよね。いつも惹き付けられます。披露宴へ来て頂けて本当に嬉しいです。」
杏「うむ。実に光栄だな。」
杏寿郎は事あるごとに隙を突いて桜の頭を撫でるので落ち着けた筈の桜はしょっちゅう赤くなった。
「杏寿郎さん、触れるのは2人きりになった時にしてください。」
杏「だが君が綺麗で堪らない。これでも抑えているんだ、諦めてくれ。」
天元はそんな会話を散々聞かされていた為、スピーチの前に『今はイチャついてねぇでしっかり聞けよ、煉獄。』と名指しした。
杏「む、分かられてしまったか。」
杏寿郎は悪びれずにそう言うと今まさに桜に伸ばそうとしていた手を引っ込める。
それを見て会場は温かい笑いに包まれた。