第91章 流れる月日
「ん、美味しい。どこも美味しかったですが やっぱりホテルの料理の方が一枚上手って感じがしますね。」
杏「うむ!そうだな!!」
2人は案内された大きな部屋で披露宴で出す料理の試食をしていた。
「伝統のあるホテルで…、それに、思い入れのあるホテルですし…。」
杏「ああ、やはりここが良いだろうな。」
相談カウンターのスタッフは敢えて第一希望の駅直結で思い入れのあるホテルを見学最終日に持ってきていた。
そして2人は他を見た上で迷い無く答えを出すことが出来たのだった。
式場が決まり、日にちも暑さを避けた9ヶ月後の10月10日の大安に決まり、話はトントン拍子に進んでいった。
しかし友人は極僅かに絞ってなるべく落ち着いた式にしようと決めると スピーチをする事になっていた天元は不満を隠さなかった。
天「俺のド派手なスピーチを地味な人数しか聞かないなんて聞いてねぇぞ!」
杏「普通のスピーチをしてくれ。出来ないのなら小芭内に頼むぞ。」
杏寿郎がそう言うと少しでも目立ちたかった天元は舌打ちをしてから黙った。
学校の方では結婚指輪をするようになってから生徒にとても絡まれたが、それもすぐに落ち着いた。
杏寿郎があらかじめ散々匂わせておいたからだ。