第90章 行動が早い男
杏「うむ!皆快諾してくれたぞ!!父上は千寿郎を通しての返事であったが!!」
「ふふ、嬉しいです!!」
そうして年内の6日間のうち4日間の予定が埋まったのだった。
翌日26日の日曜は敢えて殆どを家でゆっくり過ごし、あっと言う間に杏寿郎の家へ挨拶に行く27日がやって来た。
「……なんだか少し緊張します。」
杏「今更だろう!!父上も母上も千寿郎も君の事を既に娘や姉として見ているぞ!!」
「確かにそれは感じました…。」
そんな会話をしているとすぐに煉獄家の扉が開く。
瑠「……思ったより時間が掛かりましたね。どうぞ中へ。」
戸を開いてすぐに桜の薬指の指輪を確認した瑠火は杏寿郎達が何をしに来たのかを一瞬で見抜いてしまった。
それに桜は目を丸くする。
「お、お邪魔します!」
杏「只今帰りました!!」
千「いらっしゃいませ!!」
見れば千寿郎がリビングへ繋がるドアの隙間から顔を覗かせている。
すると途端に桜の表情は緩んだ。
「おはよう、千寿郎くん。朝からありがとう。」
千「いえ!お会い出来て嬉しいです!どうぞ!」
そう言いながら千寿郎は扉を開いてリビングへ招き入れ、そのまま続いている和室の長机へと導いた。