第16章 目覚めた女と諦めない男
杏「今日は色々な事があったからな!よく休むといい!」
そう言って布団に入ると桜を腕の中に収める。
桜はぽかぽかとした心地に ほっとしながら、頭に浮かんだ疑問をぶつけた。
「そういえば、仮眠のとき私を連れて行かなかったのは何でですか?」
その問いに杏寿郎は少し笑う。
杏「どうやら君と寝ると眠りが深くなるらしい!任務前だったので遠慮した!」
「そうなんですか…。」
桜は眠そうに瞬きしながら答える。
「あと…お守りの白石、あれ、何でこの部屋に持っていったんですか…?」
そう言われて杏寿郎は少し考えるように眉を寄せた。
杏「分からない。ただ、持っていった方がいいと感じた。」
「ふむ……。」
謎が残ったままになり桜は首を傾げる。
杏「しかし…、あれはいつもあんなに冷たいのか?」