第89章 ※漸く訪れた一夜
杏「はは、早いな。胸だけで随分と好くなっていたのだろうか。良い傾向だ。偉いぞ。」
そう言いながら息を乱している桜を杏寿郎は褒めるように撫で、優しい笑顔を向ける。
「……ありがとうございます。」
蕩けた桜は褒められると訳も分からず礼を言った。
そうして蕾も中も弄られに弄られ、頭だけでなくそこも蕩けて食べ頃になるといよいよ杏寿郎はコンドームを取り出す。
しかし桜がなんとか上体を起こしてそれを止めた。
「今日こそは…私もします。」
桜の舌に弱い杏寿郎は余裕を持っていたいという意地から桜の奉仕を断るようになっていたのだ。
杏「いや、大丈夫だ。それより早く君の中へ挿れたい。」
「あの……もしかして、…………へ、下手……なのでしょうか…。」
前に『それに弱い』と言われた事を忘れ、泣きそうな桜が杏寿郎を困らせる質問をする。
杏「……下手ではない。むしろ好ましい。だが今は俺に委ねて何も考えず気持ち良く蕩けて欲しいんだ。駄目か。」
真剣な杏寿郎にそう願われると桜は暫く揺らしていた瞳を落ち着かせ、再び上体を倒して杏寿郎に体を差し出した。
その従順な態度に杏寿郎は安堵の息をつき、コンドームを付けると桜の両足を肩に担ぐ。
杏「今夜は昔にしていたようなゆっくり愛す方法もしようか。君はよくあれを好んでいたろう。」
「はい……。でも、あの…、」
杏「勿論最初からはしない。最初は "いつも通り" に愛そう。俺も限界なのでな。」
そう言うと杏寿郎はいきなり奥まで突く。
するとすっかり杏寿郎の大きなもので奥を開発されていた桜は呆気無く絶頂を迎えた。