• テキストサイズ

ねこ神様と太陽【鬼滅/煉獄さん/救済】

第88章 関係の名称






杏「……少し笑い過ぎではないか。」



「だって……ここ、カブトムシとクワガタのコーナーなんですもん。なんだか面白くなっちゃって……、」




そう言われて周りを見渡してみると確かに其処はムードの欠片もなかった。




杏「散々調べた結果こうなるとは…よもやよもやだ。」


「子供とここへ来た時、お父さんのおもしろエピソードとして教えなきゃですね。」



杏「そこは蛍の前でしたと言ってくれないか。ほら、今から行くのでどうか勘弁してくれ。」




桜は涙を拭って笑いながら手を引かれ、蛍のコーナーまで歩いた。






「わ、あ……。」




薄暗い一画のガラスの向こう、決して大きくはない部屋の中に淡い光が点滅している。




「…………綺麗。」



杏「桜、結婚してくれ。」

「え!だめですよ、さっきのプロポーズをなかった事にしないでください!」




そう言われると杏寿郎は眉尻を下げてしょんぼりとした。

その表情に弱い桜は慌てて謝るように杏寿郎の両手を握る。




「そんな顔しないでください!では…もう一度だけですよ。」




そう言うと杏寿郎はパッと凛々しい笑みを取り戻した。




杏「俺と結婚してくれ。一生を懸けて大事にする。幸せにすると誓う。」




桜は増えた言葉と落ち着いた声色から、先程の杏寿郎は本当に気が昂っていたのだと再確認した。


そして柔らかく、幸せそうに微笑む。




「こんな私で良ければ…どうぞ貰ってやってください。」





/ 2679ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp