第87章 穏やかな生活
翌朝、4人は道が暗くて行けなかった昨夜の代わりに裏山へ来ていた。
「ユキ!ユキ!!」
ユ『桜。朝から4人で…それにそんな声を出すとは何事だ。』
階段を登りながら呼ぶとユキはすぐに姿を現した。
朝早かった為 参拝に来る者はまだいない。
桜は境内の端へ行くまで我慢ならずに口を開いた。
「みのるを殺した本当の犯人を捕まえたの!!」
ユ『………………本当の、とは……つまり、』
「もうそうやって心配しないでいいんだよって言いにきたの。真犯人と会ったし、色々と変なお話もされたけど今は平気だよ。とにかく捕まえたから報告に来たの。」
ユキの姿が見えない3人は桜の独り言の様に見える姿と ころころ変わる表情を見ていた。
「杏寿郎さん!ユキがありがとうって!えっと…『何度も桜を守ってくれてありがとう。杏寿郎がいるから私は安心してここに居られる。それはそうと2人はもうつが、』……あ…ぅ、」
ユキの口に合わせながらリアルタイムで杏寿郎に言葉を伝えていた桜は『番いになったのか。』という言葉を伝えられず赤くなったまま黙り込んだ。
その様子を見てユキは首を傾げ、杏寿郎は微笑みながら腕を組んだ。