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ねこ神様と太陽【鬼滅/煉獄さん/救済】

第86章 7年前のやり直し





桜が暴力を受けている事はすぐに分かった。

そしてそれに気が付かない周りにも苛立ちを覚えた。


だが細田は非力だった。

筋肉も付きにくく、いくら食べても太らない。


暴行を受けた後 何故か傷が治ってしまう事を自身でも不思議そうにする桜をずっと見ていた。




細「本当に…すぐに守ってあげなきゃって思ってたんだよ。」




そう言う細田は許して欲しそうに眉尻を下げる。

しかし桜にとってそんな事はどうでも良かった。




細「親も気付かない、暴力を振るう男達もイカれてる。俺以外守れなかった。守らなくちゃって…俺が守るべきなんだってすぐに分かった。そして手を汚さないといけない事も分かった。」




細田が言っているのはみのるの事ではない。

暴力を初めに振るった男についてだ。


最年長で尚且つ卒業した後も熱心に部室に足を運んでいたので、誰が主犯なのかはすぐに察しがついた。




細「桜ちゃんには言っていなかったけど あの部屋はね、あの男の部屋だったんだ。俺の痕跡を残さないように注意して…とても根気が要る生活だったよ。」




細田が桜を想ってその男が居る事を徹底的に隠していた為に桜は2人の生活だと思っていたが、あの家での生活は実は3人のものだったのだ。




そしてフリーターだった男は無断欠勤を繰り返した為すぐにクビになった。



細田は精神科で虚偽を述べて診断書を書いてもらうと学校に伝えて休学し、太田には『気を遣われる方が精神的に辛いから他の友人には伝えないでくれ』と言って飲みに顔を出したりもしていた。



そんな風に堂々と監禁生活をしていても、それまで桜と接点がなかった細田が決行した誘拐は手掛かりが無く、証拠が何も出ない為警察の立場も弱かった。


細田の元には勿論来さえしなかったし、決行の日にアリバイがあったその男の元へ来た警察も『精神を病んでいる為 休養している。協力できない。』と突っぱねれば強くは出てこなかったのだ。




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