第86章 7年前のやり直し
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天「じゃあ煉獄頼むわ。ピンク色の髪の女と根暗そうで目以外地味な男が甘露寺と伊黒だからそいつらに渡してやってくれ。」
細「うん、分かった。宇髄も気を付けて帰ってな。」
それに天元は『俺を襲えるやつなんていねーよ!』と返した。
細田は天元によって助手席に綺麗に座らされた杏寿郎の手からなんとかスマホを抜き取る。
細(眠ってるのに何でこんなに握力があるんだ。……あんまり桜ちゃんとやり取りはしていないんだな。一緒に住んでいるからかな。えっと…、)
「あ……杏寿郎さんからだ。」
蜜「終わったのかしら。それともアルバムの件についてかしら。」
「まあ取れちゃっただけなんだと思うよ。わたし蜜璃ちゃんに言われるまで杏寿郎さんに訊くのすっかり忘れてたよー。」
小「思い出は大切にするべきだと思うが。」
「大切にしてくれていたと確信しているからこそです。」
蜜「それで何て来たの?」
その問いに桜は『そうだった!』と言いながらメッセージを開く。
そしてすぐに真っ赤になった。
桜がメッセージを開くと通知音は鳴り止まなくなる。
赤くなって固まっている桜のスマホを覗き込むと、蜜璃は嬉しそうに頬を染め、小芭内はうんざりしたような顔をした。
小「杏寿郎は大分酔っているようだな。」
蜜「とても情熱的なのね…!!」
桜に送られてきていたのはひたすら桜を褒める甘い言葉だった。