第85章 不穏
陸(今回も煉獄先生が同伴するのか。1度にチューバを2つも運んでくれるから助かるけど…。)
部員の皆は大会当日でピリッとした空気を纏っており、そして杏寿郎があまりにも堂々と付いてきていた為 特に何も浮ついた質問をしなかった。
その代わりに只々いつも通り声を揃えて礼儀正しく挨拶をする。
「「「おはようございます!!」」」
杏「うむ!!力仕事なら任せてくれ!!今までの成果を発揮できるよう頑張ろう!!!」
「「「はい!!!」」」
桜と響凱は立場を取られた気がしたが部員達の士気が上がったのを見ると黙ってトラックへの搬入を始めた。
「皆揃ったかな?点呼とってー!」
生「フルート、オーボエ全員います!」
生「クラ全員います!」
杏(前回も思ったが大会となるとなかなか大変だな。特に打楽器は電車で運べないものが多い。毎回バスとトラックを借りるのか。)
杏寿郎が見つめる先で点呼を取り終わった桜が個人的に運転手に挨拶をしてから陸を振り返る。
「挨拶します!!」
陸「今日は1日よろしくお願いします!!」
その声に部員が『よろしくお願いします!!』と続き、バッと頭を下げた。
杏寿郎は独特な雰囲気に合わせて頭を下げると同じく頭を下げている響凱を見つめた。