第85章 不穏
小「杏寿郎。時間ぴったりだな。俺は少し早く着いてしまった。」
杏寿郎が自宅の前に立つと鍵を解除する前に気配を察知した小芭内がドアを開けた。
その後ろには蜜璃と桜も居る。
杏「小芭内!毎度彼女を借りてしまいすまない!!甘露寺もありがとう!!桜は良い子にしていたか?」
蜜「いえ!気にしないでください!楽しい時間を過ごせましたので…!」
「お帰りなさい。ちゃんとお家の中にいましたよ。杏寿郎さんは楽しかったですか?」
杏「そうか、それは良かった!」
杏寿郎は蜜璃にそう言うと桜に向き直り大きな手で優しく頭を撫でた。
杏「桜、ただいま。偉かったな。俺も楽しかったぞ。」
それに桜が嬉しそうな顔をすると胃もたれをした小芭内は蜜璃に『もう遅い。家まで送ろう。』と言ってリビングに荷物を取りに行ってしまった。
蜜璃も慌てて後を追い、リビングへ向かった。
「伊黒さん、1時間も前にいらしたんですよ。」
桜はこっそりと杏寿郎に伝えると微笑ましそうに笑う。
それを聞いて杏寿郎も微笑んだ。
杏(これからは小芭内も予め呼んだ方が良いかもしれないな。小芭内と甘露寺も喜ぶだろうし、何より桜の身の為になる。)
杏寿郎と桜は蜜璃達を見送ると少しの間ソファでテレビを見てから風呂に入り、ベッドへ向かった。