第85章 不穏
天「相談の前に乾杯し直すぞ。オラ。」
天元がそう言うと皆それぞれに『お疲れー。』と言いながら杏寿郎のグラスに自身のそれをぶつける。
杏「うむ!皆もお疲れ!!それで細田はどうしたんだ!いつにも増して情けない声を出しているぞ!!」
そう言われると細田と呼ばれた男は心外そうな顔をした。
細「煉獄、お前なあ!お前がこの間の式で俺の人生を台無しにしたのを俺は忘れてないからな!」
杏「それは今関係ないだろう!それに彼女達は君に相応しくないと思うぞ!!」
天「あー細田は傷心中なんだよ。面倒見てた可愛い後輩が同期と付き合い始めたんだとよ。」
それを聞いて杏寿郎が再び細田に目を遣ると彼は項垂れている。
杏「それは無念だったな。それでどうするんだ。」
細「あの子が幸せなら別に良いのかなとも思うんだ。でもちょっと心配なんだよな…。その同期何考えてるのか分からない時があってさ……。」
杏「むぅ。何を考えているのか分からないとなると俺も何とも助言出来ないぞ。だが細田は優しいからな。いざとなればその後輩を支えてやれるだろう。」
天「まー人の恋路は邪魔するもんじゃねぇ。って事で諦めろ。次だ、次。時間ねーぞ。」
男「おい…煉獄の助言を台無しにするなよ。宇髄はいいよな、選び放題じゃねぇか。何で彼女作らないんだよ。」
天「俺の場合 もう嫁は決まってんだけど1人には絞れてねぇんだよ。日本って一夫多妻制じゃねーじゃん?だから今3人で話し合ってもらってる。」
その発言に杏寿郎以外の3人が声を上げながら立ち上がった。