第85章 不穏
「行ってらっしゃい!楽しんできてくださいね!」
蜜「任せてください!」
そう言う2人に杏寿郎は『うむ!!』と満面の笑みを返した。
「でで、伊黒さんとはどうなのー?」
桜は蜜璃の背を押してソファへ導きながらそう楽しそうに訊く。
すると蜜璃はぼんっと顔を赤くさせてしまった。
蜜「そ、そんないきなり過ぎるわ…!それに前回は私ばかり話してしまったから桜ちゃんの話も聞きたいの!」
「…私の……。」
桜は頷くと杏寿郎とすれ違ってしまった事や、何だかんだ思い出してうまくいった事をざっくりと説明した。
蜜璃は記憶が無くともきちんと惹かれ合ったという話にとても食いついていた。
蜜「強い絆は消えなかったのね…素敵だわ。あ!これってさっき言ってた…、」
「うん。思い出の品の1つのアルバムだよ。」
桜は『見る?』と言いながらローテーブルに置いてあったアルバムを手に取り、蜜璃に手渡す。
「鬼狩り時代の杏寿郎さんだから懐かしく感じるかも…。」
蜜「わ、わ、本当だわ!桜ちゃんも相変わらず可愛いけど師範もまだ青年!って感じで可愛いわ…!…………………あら……?」
「……?…………どうしたの…?」
蜜璃はページを開きながら桜にアルバムを寄越した。