第84章 球技大会、決勝
「…………………………………………。」
玄「……………………………………………。」
その様子を見た後 2人は黙って顔を見合わせた。
桜の周りに付いてきていた生徒達も杏寿郎達の雰囲気を見て圧倒されている。
そして重い空気のまま かぼす組の面々は試合の笛の音を聞いた。
試合が始まるとやはり伊之助の動きは派手で水を得た魚のようにコートを動き回っている。
炭治郎は相変わらずオールマイティで、お手本のような動きを2倍速で行い、2倍の重さのボールを放っている。
善逸はとにかく見えない程速く逃げ回っていた。
(それに周りの子達の動きも良い…。偏り過ぎだよ、このクラス……。)
「でも…、全力を尽くそう!自分達が満足出来る試合を…!最後まで諦めずに戦おう!!私は一緒に戦えないけどとってもとっても応援するから!!」
桜がかぼす組の皆を振り返ってそう一生懸命に伝えると、その熱が伝わり 皆も真剣な顔で頷き返した。
そして予想通りその試合は筍組が勝利を収め、筍組とかぼす組の試合が確定したのであった。
その試合は次の1試合を挟んだ後すぐに始まる。
筍組は試合と試合の間が30分程しか開いていなかった為、体力をまだ削っていないかぼす組の方が有利であったが 有利だなどと感じている余裕のある生徒は1人もいなかった。
それでも桜の鼓舞により士気は上がったままだ。