第84章 球技大会、決勝
球技大会2日目、この日に優勝クラスが決まる。
つまりこの日は杏寿郎や桜達が活躍する可能性がある。
「杏寿郎さんは筍組と一緒に決勝に出そうですね。」
行きの車で桜がそう笑うと杏寿郎は『そうだな!!』と笑った。
杏「だが君のところも全てのクラスが予選を勝ち進んだろう!決勝は君と戦うことになるかもしれないな!!」
「…死にたくないです。」
杏「安心しろ!俺と昼休みに遊んで死んだ生徒はいないぞ!!」
そう言いながら杏寿郎はおかしそうに笑う。
しかし桜は安堵の色を浮かべなかった。
「普段の遊びとは違って試合となると力んでしまうかもしれません。相手は男の子だけじゃなくて女の子もいる事を忘れないでくださいね。」
そう言うと杏寿郎は心外そうな顔をした。
杏「遊びだろうと手心を加えた事はないぞ。腹には当てないようにしているがな。」
「そうですか…。」
桜はそう言いながら自身の肩を不安そうに撫でる。
杏寿郎はそれを横目でチラッと見ると眉を寄せた。
杏「君は外野に回ってくれ。」
「それはできません!生徒達をおいて安全圏に行くなんて…私も命を懸けて死地で戦います!!」
杏「君は俺を何だと思っているんだ。」
杏寿郎は再び心外そうな声を出すと何度も外野へ回るようにと説得したが、頑固な桜はそれを聞き入れなかったのだった。