第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
15歳の時より明らかに女性らしく成長し、そして相変わらず非力な体、大人っぽくなったが気を抜けば庇護欲を掻き立てる幼い顔。
杏(監禁中桜は何も手出しはされなかった。だが次はどうか分からない。『大人になったら嫁にする』と言っていたのなら何をされるか…、)
杏「桜はもっと太った方が良い。」
「またですか。私は健康体ですよ。それに特別痩せてる訳じゃないです。太ももやお尻だって結構お肉ついちゃってますし。」
杏「違うんだ。もっと……力も付けて、」
杏寿郎が珍しく途中で言い淀むと、ベッドに座らされた桜は眉尻を下げながら杏寿郎を引っ張った。
「言えるようになるまで なるべく待ちますが、あんまり長ければ訊いちゃいますからね。」
杏寿郎は引かれるがまま桜に近付くとそのまま片膝をベッドにつき、桜を腕の中に収めたままベッドへ横向きに倒れ込んだ。
そして桜の髪に顔を埋めるとすりっと頬擦りをした。
杏「分かった。仕事の方が落ち着けば君に話すと約束する。」
そう言うと杏寿郎はパッと纏う空気も表情も変えて桜を抱き上げながら布団に入った。
杏「今日は少なめにした方が良いだろうか。」
「いつも通りで大丈夫ですよ。」
そう言って桜は杏寿郎にだけ向ける 愛おしそうな求めるような笑みを浮かべる。
杏寿郎は少しの間その笑みを撫でて愛でた後、優しい口付けを始めたのだった。