第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
「これでこの話はお終いです!!」
杏「待ってくれ。せめて君が居ない日は家に置いていって貰えないか。先程確認したらやはりあの肌着の香りはとても良かった。」
「………………変なことしないですか?」
杏「努力する!!!」
桜はそれがほぼ『する』という返事である事は分かっていたが、ここが落とし所なのだろうと悟ると『分かりました。』と呟いた。
杏「その代わり逆の時は俺のを置いていこう。君も好きに使っていいぞ!!」
「つ、使ったりなんてしません…!」
それを聞いて杏寿郎は目を丸くさせる。
杏「既にしたろう。俺が合宿で家を空けていた時、君は俺の服の香りを使ってオナニーをしていた筈だ。」
そう指摘されると完全に忘れていた桜は酷い恥から体の力が抜け、ぺたんと浴室の床に座り込んでしまった。
そして杏寿郎を見上げて涙を滲ませる。
「ご、ごめんなさい…私……、」
そう言って体育座りをして縮こまり、膝に顔を埋めた桜は杏寿郎が自身の泣き顔で昂りを更に大きく固くさせた事に気付けなかった。
その正当化出来そうにない性癖は隠しておきたかった杏寿郎は安堵と興奮の入り混じった震える息を深く吐くと、桜の側に膝をついて努めて優しく頭を撫で始めた。