第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
「やだ!やだやだ、やめてください!!」
自身の体の変化を認めたくなかった桜は心から嫌がる声色を出した。
それを聞いた杏寿郎は膝を止めると桜の顔を覗き込んだ。
杏「恥じなくて良い。匂いで "その様に" なるのは "当然の事" だ。」
どうなっているのかを既に確信されていた事に桜はパッと顔を赤くさせた。
「で、でも…、恥じる必要がないってお互いが認めてしまえば杏寿郎さんは私の洗濯物をどのお部屋にも持って行ってしまいそうです。それは避けたいです。」
そう言われると杏寿郎は顎に手を遣って考えるように眉を寄せる。
杏「考えていなかったが確かにそうだな。外にも持って行きたくなるかも知れない。」
それを聞いて杏寿郎が職員室で自身のキャミソールを取り出す想像をした桜はぶるっと身震いをした。
杏「む、見せたくないので周りに人が居る時は出したりしないぞ。」
「そ、そうですか…。」
そう言いながら桜は安心しそうになってしまい、ハッとして頭を振る。
「いえ!それでもだめです!洗濯機から出してはいけません!」
それを聞いた杏寿郎が悲しげな瞳をした為、その瞳に弱い桜はパッと視線を外して再びボディーソープに手を伸ばした。