第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
すると杏寿郎は自身の洗濯物を取り出してきて桜の眼前に突き付けた。
杏「嗅いでみてくれ。脱ぎたての匂いをどう思うか君も確かめてみると良い。」
桜はそれがインナーである事を把握すると顔を赤くしたが、眼前にある事もあり素直にくんくんと嗅いだ。
すると杏寿郎の強い香りと共に男性特有の香りがし、体がぶわっと熱を持った。
杏「どうだ。」
「………………特に…何、も…。」
その小さな声を聞くと杏寿郎は何も言わずにインナーを再び洗濯機へ入れに行った。
桜は少し気まずく思いながらも『今後の事を考えたらこれが最善だったんだ。』と思いながらボディーソープの泡を手に取った。
しかし戻ってきた杏寿郎がシャワーでそれを流してしまう。
「あっ、どうして、」
杏「桜、嘘はいけない。」
杏寿郎が笑みを浮かべていることと、そのハッキリとした口調、声色から桜はサッと青ざめた。
「な、にが…、」
杏「『君も人の事を言えない』と言っている。」
杏寿郎はそう言いながら桜を立たせると自身の膝を桜の太腿の間に優しく割り入れた。