第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
杏「……………………………………。」
「………………………………へ…、へんたい……。」
桜はそう震える声を出してコンディショナーを手に取ると、真っ赤な顔のまま急いで戸を閉めた。
そしてその "変態" が風呂に入ってくる前になるべく早く体を洗ってしまおうと急いでコンディショナーを詰め替え始める。
一方、出来心で桜の匂いを嗅いでしまっていた杏寿郎は急いで弁解をしようと戸を開けた。
「きゃああっ」
杏「その反応は傷付くので止めてくれ!」
「だって大っきくなってる!!洗濯機を漁って見つけたキャミソールの匂いを嗅いで大っきくしてます!!」
そう言われて見下ろすと確かに杏寿郎は元気にそそり立っていた。
杏「君の下着を漁る事が目的ではない!!君の匂いを嗅ぎたかっただけだ!!!」
「どっちも嫌です!漁られるのも嗅がれるのも嫌です!!」
桜は風呂に入ってきてにじり寄る杏寿郎を止めたくて思わず顔にシャワーを向けた。
ハッとして『ごめんなさい!つい…!』と謝りながらシャワーを下げると 杏寿郎は水気を飛ばすように頭を振ってから顔を上げる。
其処に居るのは変態と言うよりも、只の水も滴る良い男だった。
(………だ、騙されちゃだめ…!ここで許したら癖付いちゃうかもしれない!毎日洗ってない洗濯物の匂いを嗅がれたら絶対いやだ…!)
杏「君も俺の匂いが好きだろう。何故俺は駄目なんだ。」
「ちょ、ちょっと違うと思うんです。私が言ったのは…、なんというか、とにかく脱ぎたてとかではなく…、」
桜も違いが分からなくなりしどろもどろになってしまった。