第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
「そっか…。あと少し長く私があちらに居られたら話せてたんだね。惜しかったなあ。」
桜の柔らかい声と体の温かさにカナヲの体の強ばりがみるみる解けていく。
そしてカナヲもおそるおそる桜の少しだけ小さな背に手を伸ばすときゅっと背中を掴んだ。
その人気のある2人の温かい抱擁はコートから丸見えで 写真を撮っている生徒もちらほら居た。
監督の教師も生徒を注意しつつ、試合にならない為にタイムを取るとちらちらと盗み見ている。
天「おいお前らコートから百合疑惑の噂されてんぞ。」
カ「ゆり?」
「お花の名前だからきっといい噂だよ。」
カ「そ、そうですね。」
2人はコートの皆と目を合わせると照れ臭そうに微笑み返す。
すると何とも言えない興奮したような歓声が上がった。
天「あーあー。」
桜は暫くカナヲと観客席に座って試合を見ながら炭治郎と一緒になった事などの話をし、ドッチボールの第6試合が終わる前に別れた。
「じゃあ、次私のクラス試合だから応援に行ってくるね!また話そうね!」
カ「は、はい!!」
カナヲの返事に微笑みを返すと 桜は小さく手を振りながら階段を降りていった。
(次は杏寿郎さんが担当するクラスとの試合だ…!)