第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
一方、3年土竜組の担当である実弥は鬼の形相で喝を入れながらサッカーの試合を観戦していた。
実「矢琶羽ァ!!今のはお前だろォ!!!」
桜は隣の第1運動場から『いつまでもその甘えた調子でいると首をぶった斬るぞォ!!!』という実弥の声が聞こえた気がしたが聞かなかったことにした。
そして第1体育館に居る天元が率いる2年菫組のバスケでは目の良いカナヲが大活躍していた。
天(あいつ地味な奴だと思ってたけど なかなかやるじゃねぇか。)
天「お前ら決勝で俺がど派手に目立てるよう絶対に勝ち進めよー。」
そんな教師らしからぬ声を掛けつつも一応は見守っている。
問題は第2体育館にいる義勇だ。
義勇は自分が担当しているクラスが運動場でサッカーの試合をしているにも関わらず、種目もクラスも関係のない目の前のバレーボールのコートを竹刀を持ちながら睨み、どちらのクラスにも厳しい言葉を掛け続けていた。
そこにいる皆が何故義勇がそこに居るのか、何をしたいのか分からなかった。
それでもそれぞれの見込んでいたクラスは勝ち上がり、午前に試合のあった桜の担当するかぼす組も蓬組も順調に勝ち進んだ。
かぼす組は苦戦したが蓬組は拍子抜けするほどあっさりと勝った。
しかし、何かがおかしい。