第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
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「「「ありがとうございました!!」」」
「うん!皆もお疲れさま。朝練後のご飯持ってきてる人はきちんと食べてね。持ってきてない人はおいで。サンドウィッチ作ってきたよー。」
桜は『お米は全部使っちゃったんだ、ごめんね。』と言いながら並んだ生徒達に具沢山のサンドウィッチを配っていく。
「あれ?皆持ってきてなかったのかな。作ってきてよかった…。」
桜が担当する24人分のサンドウィッチが完売したのに驚いているとアオイがサンドウィッチ片手に近寄ってきて耳打ちした。
ア「皆 桜さん…、一ノ瀬先生のサンドウィッチが欲しかっただけです。先生を選んだクラス達ですよ。熱烈なファンもいますし少し気を付けてください!」
「ファンかあ……。分かった!ありがとう、アオ…神崎さん!」
桜は『大袈裟だ、アオイが勘違いしてしまっている』とは思わず、素直に受け止めて注意する事にした。
しっかりと頷いた桜を見て安心したアオイは気が抜けたように息をついた。
「よし!食べ終わったかな?たかが球技大会、されど球技大会、だよ!やるからには全力でやりましょう!一緒に決勝で戦おうね!!」
その声に異様な熱のこもった『オーッ!!!』という雄叫びが返ってきた。