第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
「かぼす、柿、蓬組ーっ!!あつまってー!!!」
桜は受け持った生徒達を運動場でウォームアップさせた後 手でメガホンを作って召集をかけた。
生徒はそれまで死にそうな顔をしていたが、桜に呼ばれると生き返ったように元気になった。
死にそうなのも無理はない。
今やっと5時になったばかりだ。
「よし、集まったかな!皆が揃うのはやっと2回目ですね。この中の2つのチームが決勝進出になって敵同士…って可能性もありますが、練習は仲良くやりましょー!」
桜の言った通り同じ教師が受け持つ2つのチームが決勝に勝ち進む場合もある。
その際には準決勝で負けたチームの担当教師から1名、生徒が指名する事になっている。
生徒達は桜に返事をすると指示通りかぼす組と柿組が練習試合をし、蓬組はふた手に分かれると人数の足りない方に桜を入れ、ミニ試合を始めた。
杏「村田!!!集中ッ!!!!」
村「は、はいぃっ!!」
運動場に杏寿郎の気合いの入った声が響いて桜は思わず頬を緩ませる。
「私達も負けないよーっ!!開始!!!」
その声と共に桜担当のチーム達が試合を始めた。