第83章 球技大会の予選と杏寿郎の懸念
桜を勝ち取ったのは 玄弥がいる1年かぼす組、アオイがいる2年柿組、しのぶがいる3年蓬組である。
そして杏寿郎を勝ち取ったのは 継子3人組がいる1年筍組、村田という元鬼殺隊士がいる2年山椒組、そして3年躑躅(つつじ)組であった。
(玄弥くん、サッカー希望にしなかったの実弥さんに怒られてたなあ…。何で分かったんだろう。)
確かに玄弥は第1にドッヂボール、第2にサッカーを希望していた。
だが第1にサッカー、第2にドッヂボールで希望を出した結果ドッヂボールになってしまった、という可能性もある筈である。
(……スパイがいるのかな。それとも兄弟だから分かるのかな…。)
杏「戦略を練っているのか!!!」
静かだった車内に興奮気味の杏寿郎の声が響いて桜は肩を跳ねさせた。
「い、いえ!球技大会のメンバーの人間関係を考えていただけです!」
杏「そうか!!君は避けるのが上手そうだ!無理に受けようとせず、避けて避けて外野にボールを回すと良い!!!」
敵になるかもしれない自身に向かって助言をする杏寿郎の心の在り方が清々しくて気持ちよく、桜は元気良く返事をして笑った。