第82章 新しい外への向き合い方
翌日は先週2人で居られなかった分を取り戻すように1日中家に閉じこもり、例の如く杏寿郎の足の間に桜が座って映画を観たり、愛し合ったりと思う存分好きに過ごし、一緒に時間を掛けて料理をしてご馳走を作ったりもした。
杏「そういえば最近お父様から連絡が来るようになった。」
「え!どんな内容ですか?」
杏「……10月の試合の事を気にしていらっしゃるのだろうが、段位や鬼殺隊士であった時どのような事をしていたのかなどについて質問されたな。」
「なるほど…。杏寿郎さんって何段なんですか?」
杏「今は5段だ。」
「ごっ………、」
最低限ではあるものの知識がある桜は5段が杏寿郎の年齢で取れる最高段位である事がすぐに分かった。
(お父さん焦っただろうなあ…。)
「鬼殺隊については何と…?」
杏「うむ。正直鬼が相手だったので強さを説明しにくかったのだが、呼吸を使った時の簡単な身体能力と今は少ししか使えないことを伝えた。勿論試合中は絶対に使わないことになったがな。」
「なるほど…。試合自体やらない方が良いと思うんだけどなあ……。」
杏「お父様のほうが段位は上だぞ。」
杏寿郎はそう不可解そうに言った。