第82章 新しい外への向き合い方
杏「初めまして、桜の恋人の煉獄 杏寿郎と言います。」
ビシッと頭を下げてから顔を上げると、杏寿郎は先程と別人のような大人らしい余裕のある表情を浮かべていた。
蓮「……なるほど、桜ちゃんはこれに困惑したのね…。」
菫「もうわんちゃんみたいな顔、見ちゃいました。」
紅「しーっ」
杏「よもや……。」
(((よもや…………?)))
4人のやり取りを見て桜は嬉しそうに微笑む。
「本当に大人っぽい時もちゃんとあるんだよ。どっちも本当なの。」
杏寿郎は3人の友人と話しながらも桜を見る男に牽制の殺気を放ち続け、ついに無意識に桜を自身の背に隠してしまった。
「あ、あの……、」
杏「む、すまない。あまりにも見られるので無意識に隠してしまった。」
それを聞いて杏寿郎の苦労を察した3人は帰るように勧め、2人はそれに甘える事にした。
「また会おうね!楽しかったよー。」
それに3人も頷き手を振る。
菫「……見た?何気なく助手席のドアを桜ちゃんが入る為に開けてたね。」
紅「見た。私も同じこと言おうと思ってた。」
蓮「あの感じを見るに毎回やってそうね。」
3人は目を合わせると友人が幸せになっている事に笑みを溢したのだった。