第82章 新しい外への向き合い方
「本当にしっかり解決したのよ。問題を起こした先生だって1人辞めさせたんだから。」
蓮「え……?何があったの……?」
桜は少し悩んだが終わった事だからと思い、小さな声で皆に事の顛末を教えた。
紅「……そんな、」
蓮「………………。」
菫「…よ、よく無事だったね……。」
菫は結婚しているにも関わらず まだ手を握るに留まっており、相変わらず3人の恋愛経験値は悲しいほど低い。
勿論 "ラブホテル" だなんて言葉は縁のない言葉であり 見たこともない。
それだけに無理矢理連れて行かれたなどと聞いて皆呆然となってしまったのだ。
「うん、でも……成敗してくれた人がいるの。剣道の試合を申し込んで、私が痣を付けられた左手にたくさん小手を入れてくれたんだって。」
桜が分かり易く頬をそめてはにかむと、3人は食いつく。
菫「えーだれだれ?どんな人?先生仲間だよね?」
蓮「すごい素敵ね!桜ちゃん恋愛に懲りちゃったんじゃないかなって心配してたの!」
紅「良い人に巡り会えたのね。私も嬉しい。」
「え…恋愛……って、何で分かったの……?」
すると菫が手鏡を差し出して桜の頬の赤さを自覚させる。
桜はそれを見て更に赤くなった。
3人は大学時代に杏寿郎についての相談に上手く乗れず、更にその後 桜が痩せていってしまったのを見ていたので心底嬉しそうに、それでいて楽しそうに桜の反応を見ていた。