第82章 新しい外への向き合い方
店「あ、あの、はい……。」
怪しい客を相手に店員が困ったような声を出すと桜は慌てて帽子を取る。
「す、すみません、失礼を…!」
取れた帽子につられて舞い上がった髪から香る良い匂いと きちんと化粧をした桜の顔に不意打ちを食らった店員は暫く固まった後 違う席に案内し、桜にもう一度『私の友人は唯川 紅葉という女性です。』と言われてから正しい席へ案内した。
紅「わ、桜ちゃん?また綺麗になってる!お久しぶりー!」
菫「わあ、桜ちゃん 大人っぽくなったねえ。すっごく素敵だよー。」
蓮「うん、すっごく綺麗!久しぶりだね。」
「ふふ、皆ありがとう。久しぶりー。」
そう言って桜がふわっと笑うと『やっぱり変わってないかも。』と皆は口を揃えて言った。
3ヶ月ぶりに会った4人は近況報告をし合った。
紅葉は桜と同じく私立の高校に勤め、菫は早々にお見合いをして家庭に入り、蓮華は企業秘書をやっていた。
蓮「桜は学校どう?順調?」
「うん!トラブルはあったけど全部解決できたよ。」
紅「トラブル……。」
菫「桜ちゃん、ふわふわしてるからなー。」
3人の性格を言うと、紅葉は優しいしっかり者、蓮華は少し気が強いしっかり者、菫は緩い雰囲気を持ったマイペースな子、といった感じだ。
なので菫にそう言われると桜は少し不満そうな顔をした。