第82章 新しい外への向き合い方
その次の日から桜は学校へも歳相応の化粧をしていくようになった。
それは生徒にも教師にも分かられたが、特に何も起こらずに過ごす事が出来た。
そして週末、桜は17時で部活が終わる土曜の19時から大学の友人達に食事の誘いを受けていた。
桜は杏寿郎の許可の元、おしゃれをしてから帽子を被り1人でレストランへ向かうことにした。
杏「帰りは流石に迎えに行かせてくれ。どんな女性であろうと夜は危ない。」
「はい。お願いします。」
桜は杏寿郎に一度 抱き締めてもらうと帽子を深く被って家の扉を開く。
杏寿郎は努めて穏やかな表情を浮かべていた。
杏「転ばないように気を付けるんだぞ。」
「ふふ、分かりました。行ってきます。」
桜が出発すると杏寿郎も外に出てエントランスが見える位置まで移動する。
すると間もなく出て来た桜が振り返って呆気無く杏寿郎を見付けてしまった。
桜は驚く杏寿郎ににこっと微笑むとスマホを弄る。
杏「む。」
バイブ音がしてポケットに入っていたスマホを手に取ると『2年前の私みたいです。』とメッセージが来ていた。