第15章 兄弟の想いが詰まった晩酌
「んー…幸せだねえ…ご飯美味しいねえ…。」
千「ふふーありがとうございますー。」
「明日も晴れるかなあー。」
千「晴れたらお布団干してふかふかにしましょうー。」
「それいいねえーふふふー。」
ゆるゆるとした顔でふわふわとした会話をする二人。
一方、その会話に聞き耳を立てていた槇寿郎は、眉を寄せて不可解な顔をしていた。
槇(酒でも飲んでいるのか…?)
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「ごちそうさまでした!!」
そう言うと、桜は千寿郎のまだ幼さが残る横顔を見て可愛らしくて堪らなくなる。
(…………愛でたい…!)
そう思うと、千寿郎に抱きつき畳に倒れ込み わしゃわしゃわしゃーっと頭を撫でてから、こしょこしょ地獄にした。
千「…っ!桜さん!?何して…っ!?ふあ!あははは!!やめてくださ…っ!!あはは…!!息が!できな…っ!」
「あはは!姉上って呼ぶまでやめてあげないよー!」
千「あ、あね、姉上!!あはは!や、やめてくださいっ!千は笑いすぎて死にそうですーっ!!」
「あ!今、自分のこと千って言った!可愛いからお代わりを所望する!」
千「あははっ!!やめてくださ、い!!あ、姉上!千は死にそうですーっ!あはははっ!!もう!ちゃんと言いましたよっ!!」
弟としていたようにじゃれ合っていると、年相応の笑顔を浮かべる千寿郎が可愛くて 同時に胸がぎゅっと苦しくなった。
(毎日こんな顔をさせてあげたいものだなあ…。)