第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
「男の人が怖くなくなってから杏寿郎さんやさなちゃん "達" にずっと守ってもらって、私いま思い出してみたら数え切れないくらい、」
杏「待て。そういえば聞いていなかったな。早苗さんが大阪へ勤めに行った後の1年間は誰に守ってもらっていたんだ。」
「…………お友達です。私今までたくさん、」
杏「話を変えないでくれ。」
「杏寿郎さんが話を逸したんです。誰の話ではな、」
杏「男だな。」
桜が俯いて表情を隠し 答えないでいると、杏寿郎は桜の体を持ち上げて太ももの内側に熱いものを擦り付けた。
「きょ、杏寿郎さ……、ひ、避に…ん、」
杏「君も俺の一時的な汚い感情で子を孕みたくはないだろう。正直に教えてくれ。」
「立道くんです…!送り迎えも……全部、買って出てくれて……、でも、ずっとお友達でした…!」
杏「……そうか。」
杏寿郎は優介の一途な恋心と手を出さなかった誠実さを知っていた為に同情と感謝を抱き、それ以上は何も訊かなかった。
(……………………あれ……?)
桜は呆気無く降ろされると眉尻を下げて少し首を傾げた後 杏寿郎の後ろに回って大きな背中を流した。