第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
「初めまして。」
その笑顔と不釣り合いなピリつく空気に女性達はただただ固まった。
天「もっと敗北感に満ちた顔が見たかったんだけどなー。なあ、お前らさ、さっき何つってた?桜の○○が○○で きっと○○だとか、○○とか、○○の…、」
女「ご、ごめんなさいッ!!!その……か、カナエ先輩だとは知らなくてっ、」
女「カナエ先輩が才色兼備なのは知ってます!!」
女「でも、指輪が……、そ、そもそも煉獄くんが…!!」
それを聞くと杏寿郎は『そんな品の無い事まで言っていたのか。』と眉を顰め、名を間違えられている桜は少し目を細めた。
「そんなに似てますか?私はカナエ先生ではなく一ノ瀬 桜と申します。それより指輪について、」
男「ほらやっぱり!!俺ネットニュースで見てカナエ先輩に似て綺麗で可愛かったから覚えてたんだよ!」
男「あれだろ!有名お嬢様女子大で4年連続ミス、」
杏「桜、帰るぞ!!宇髄、離してくれ!!!」
杏寿郎がこれ以上知名度を上げたくなくて言葉を遮ると、周りが少し静かになったのを見計らって桜は再び口を開いた。
「指輪1つで随分と杏寿郎さんを悪く言ったようですね。」
その声は小さく、近くに居る女性達にしか聞こえない。
そして顔には相変わらずの微笑みが浮かんでおり、傍から見れば仲良く話しているようにさえ見えた。