第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
杏「いえ、礼はいりません!ご迷惑をお掛けしました!お気を付けて!!」
それを見て道を塞ぎながら歩いてしまっていた者達は反省したように道を少し空けながら歩き出した。
杏「うむ、皆もありがとう!!!」
どの目線から出てきた言葉なのかは突っ込みたいところではあるが 杏寿郎は空いた道を見て太陽のような笑みを浮かべながら礼を言い、女性達の熱い視線を浴びながら天元の横へと戻って行った。
天「お前女に絡まれたくないんじゃねーの。なんなの。」
杏「言っている事がよく分からないな。先程のご老人を放っておけば良かったのか。」
杏寿郎が少し眉を寄せると天元はすぐに会話をする気を失くしてパッと視線を逸らす。
それを見て杏寿郎は『君は気分ですぐに会話を終わらせてしまうな。』と少し困ったように言った。
―――
女「それで……その指輪って結局、結婚指輪なの?それともペアリング?」
杏「…………いや、…どちらでも、ないな。これは……、」
立食形式のレストランにて、一通りの挨拶を終えて帰ろうとした杏寿郎は天元と共に女性達に捕まり 腕組みをして立っていた。
そして指輪への問いに言い淀む。
杏寿郎が嘘を付けない性格である事を把握している女性達は堂々とした姿が崩れた様子を見て嬉しそうな声を上げた。