第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
そんな2人が席を立って会場を出ようとするも、扉側に居た新婦のゲストの流れが異様に悪い。
天「第一関門だぜ。」
男「あの子達、お前等を待っちゃってんじゃん。スタッフの人板挟みになってかわいそ…。」
杏「楽しく話している所に水を差してすまないが 詰まってしまっているので早く出てくれると助かる!!!」
杏寿郎の嫌味の無い朗らかで大きな声に肩を跳ねさせた女性達は呆気無く退場し、流れはスムーズになる。
男「こういう所だよなー。」
男「これは出来ない。あんな真っ直ぐな声色は出ない。やっぱり羨んでも煉獄みたいな男にはなれないわ。」
天「なー俺は?」
男「お前と煉獄はベクトルが違うんだよ。俺はお前になりたいけど絶対になりたくない。」
天元は『どういう意味だよ!!』と言いながらも口角を上げながら桜に2次会の場所も伝える。
2次会の会場はあまり気取らない雰囲気のレストランだ。
杏寿郎達は結局、女性達に囲まれながら2次会の会場まで移動していた。
レストランは徒歩で行ける範囲であった為、道は関係者でいっぱいになってしまう。
杏「すまない!!ご老人があちら側から通りたそうに…、むぅ、埒が明かないな。」
天「あーあー。」
天元が見つめる先で杏寿郎は困った様に後退っていた老人に躊躇い無く駆け寄る。
そして眩い笑顔で短い会話をし、高く抱えると人混みを掻き分け人の川を渡った。