第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
杏(ああ、純白も相変わらず似合ってしまうのだろうな。そんな姿を見たらお父様はずっと泣いてしまうだろう。父上はどうだろうか。)
そんな事を思いながら流行りの歌とダンスをやり遂げた女性達に視線を移すと惜しみない拍手を送る。
いざ杏寿郎とバッチリ目が合うと彼女達は陰口を叩いていたにも関わらず頬を赤らめて退場していった。
天「あーあ。」
杏「む?どうした。」
天「いやー?」
『気にするな』というように首を横に振りながらそう答えるも 天元は杏寿郎の天然たらしっぷりに溜息をついた。
その後も親への手紙や花束贈呈と定番のコースを終え、披露宴はあっという間に終わってしまった。
この後は若い面々だけでの2次会となっている。
杏「宇髄。2次会は挨拶を一通りしたら途中で抜けるつもりなのだが、君もそうなら頼みがある。」
天「んー?」
杏「俺は女性にどこまで力を使えば良いのか分からなくて 正直適当にあしらうやり方が分からない。前に転倒させてしまった事があってな。」
天「んー。」
杏「なので、君には何も得がないのだが 良ければずっと一緒に居て助けてもらいたい。そして出る時にも協力して欲しいのだが、どうだろうか。」
天「ああ、いいぜ。」
杏「本当か!!ありがとう!!!」
面倒臭がられると思っていた杏寿郎はパッと顔色を明るくさせる。
一方、桜に逐一決まった事を伝えながら天元は小さな笑みを浮かべた。