第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
「でも………、杏寿郎さんが悪く言われたのは私も良い気がしないな……。」
蜜「………………え……?」
ピリッとした桜の雰囲気に蜜璃は目を丸くする。
無意識だった桜はそれに気付かず、蜜璃に微笑みかけた。
「蜜璃ちゃんさ、帰りがてら杏寿郎さんのお迎えに一緒に行ってくれないかな…?お家、一緒の方だったよね?蜜璃ちゃんとならお外出ても杏寿郎さん怒らないだろうし。」
蜜「か、構わない、けれど…。」
蜜(桜ちゃん、笑っているけどとっても怒ってるわ…。)
それから桜は天元に杏寿郎を迎えに行くことを伝え、天元のアドバイス通り 披露宴が終わるまでの1時間半を存分に使って杏寿郎の彼女として恥ずかしくない女性になるように蜜璃と支度をすることにした。
一方その頃、披露宴では丁度お色直しを終えた2人が再入場していた。
杏(桜には何色のドレスが良いだろうか。ワインレッドは少し落ち着きすぎだろう。となると華やかな桜色だろうか。やはり思い出の色にしたいところだな。)
その後 友人達による余興が始まり、楽しくも終盤に向かっている何とも言えない空気が会場を包む。
杏(本当に祝ってもらいたい友人と静かに時間を噛み締めたい。もっとここより狭くて良い。)
杏寿郎は涙を滲ませながら笑う花嫁を薄目で見て桜をそこに想像してみた。