第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
蜜「あ……説明もせずにごめんなさい!私ったら……、その、あのね…、宇髄さんに桜ちゃんを連れて来てって言われて…、」
「それなら絶対に着れない!綺麗にしてくれるのはとっても嬉しいけれど、体の線が出る服は人に見せないって杏寿郎さんと約束してるの。」
蜜「で、でも……でも、これ着て行かなきゃ師範の体が大変なことになるって…。」
「杏寿郎さんの……体が…………?」
板挟みになってしまった蜜璃は今にも泣きだしそうになってしまい、桜は慌てて背伸びをして蜜璃の頭を優しく撫でた。
「強く言ってごめんね…。私も宇髄さんに連絡してみていいかな。本当に杏寿郎さんがピンチならちゃんと着るから…。」
こくりと頷く蜜璃から解放されると 桜はカーディガンを羽織り、すぐにスマホに駆け寄って今起こった事を天元に伝え、そして説明を求めた。
(なるほど…。宇髄さんが杏寿郎さんはともかく、私の悪口に対しても不快に思ってくれたなんてちょっと嬉しい、かも。でも…、)
「蜜璃ちゃん。杏寿郎さんは元気だよ。耳が腐っちゃいそうなのは宇髄さんの方で、それも比喩だから安心して。私と杏寿郎さんを悪く言う人がいたみたい。」
それを聞くと蜜璃はへにゃへにゃとその場に座り込み、ぽろぽろと涙を溢し始めた。
蜜「桜ちゃん暴走してごめんねえ…寒いよね、今服集めてくるからあ……!」
「ううん!私は大丈夫だよ!大丈夫だからお願い、泣かないで…。」
桜はローテーブルにスマホを置くと、カーディガンの前を押さえながらクローゼット前に座り込む蜜璃に駆け寄って頭を優しく撫でて宥めた。