第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
天元が蜜璃に送ったメッセージの内容は『桜を最高に良い女の状態にして煉獄の元まで連れて来てやってくれ。でないと耳が腐り落ちる。』というものだった。
もちろん腐り落ちそうになっているのは天元の耳であり それも只の例えだったが、蜜璃は文字通り杏寿郎の耳が腐り落ちる想像をして動揺し、青くなってしまったのだ。
蜜「待ってね待ってね!!すぐ済ませるからね!!」
「何がなの…!?ね、ねえ…蜜璃ちゃん……!!」
蜜璃は服を選んでいる最中に逃げようとした下着姿の桜を後ろから絶妙な強さで抱き締めると、そのまま再びクローゼットに向き合う。
蜜「桜ちゃんの最高な状態……。ここの服すごいわ……全部桜ちゃんに似合うものばかり……!」
「蜜璃ちゃん、ちゃんと話そう…?誰が、」
蜜「これだわ!!」
蜜璃がそう言って選んだ服は宇髄の言った通り綺麗系であり、そして桜はまだ着たことのない物であった。
(その服は…、たぶん、家の中、杏寿郎さんの前でだけ許される服……。)
胸の大きさはもちろん、くびれや杏寿郎が気に入っている腰のカーブが分かってしまうそれは 膝下までの長さはあるものの女らしさを引き立ててしまうような濃紺のドレッシーなワンピースだった。
「あ、ねえ…もしかして杏寿郎さんに写真を送れって言われたの?」
慌てて蜜璃の腕の中で半回転して桜が見上げると、それまで暴走していた蜜璃がはたと手を止めて視線を合わせた。