第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
男「宇髄……こいつのこの人たらしな部分、どうにかなんねぇの…?俺怒りたいんだけど……。」
天「前世からこうだからもう直んねぇな。諦めろ。」
杏「それから披露宴のクライマックスに入る前から感動の涙を流してしまう所も魅力の1つだな!!」
男「お前に泣かされたの!!」
そんな会話をしながら楽しそうに笑う杏寿郎達を独身組の女性達は冷ややかな目で見ていた。
天元は杏寿郎が全く気にしていない事をきちんと分かってはいたが、前世での一途ぶりを見ていただけに聞こえてくる酷い陰口に胸がむかむかとしてくる。
天(勝手に期待して勘違いして気分わりぃ。それにいくらなんでも口悪すぎだろ。……確かあいつ今日は甘露寺といるって言ってたよな。)
そう思うと天元はスマホを取り出してタタタッと素早く文字を打ち始めた。
蜜「それでねそれでね、その次、15回目でようやく話し掛けられたの…!ドキドキして心臓止まっちゃいそうだったわ!!」
「わーっ!ついに…!待った分嬉しさ100倍だねえ。」
蜜璃は同窓会で詳しく話せなかった小芭内との再会について事細かに桜に教えていた。
定食屋で鉢合わせて無事に再会を果たすも、2人とも恥ずかしさと『相手に記憶が無かったらどうしよう』という気持ちからチラチラと目を合わせるだけの期間が長く続いていたようだった。
蜜「だけどその時私はまだ駒校の生徒で伊黒さんは先生だったから公には一緒にいられなくて…でもね、でもね、とーっても幸せだったの。」
そう言って頬を染めながら笑う蜜璃を桜は微笑ましそうに目を細めて見つめる。