第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
男「うっわ、めっちゃ綺麗でめっちゃ可愛い。物凄くカナエ先輩に似てるな。この子?だろ?」
杏「何故分かったんだ…。」
他にも『この子?』と何人かがスマホ画面を見せると杏寿郎は呆然とする。
それを見て天元は溜息をついた。
天「まあ、良いんじゃねぇの?減るもんでもないし。」
杏「いや、待ってくれ。その時は体調を崩し痩せてしまって表情も強ばっているし顔色も悪かったんだ。今の方が更に愛らしい。」
天「え、ちょ、」
天元の心配を余所に、杏寿郎は吹っ切れたように異常な数の "桜" フォルダのうち "桜(日常)" を見せる。
男「ちょっと待て待て、隣の "桜(夜)" を、」
杏「名を呼ばないでくれ。それにこれを見せるつもりはない。桜にも秘密で撮り溜めたのでな。」
天「あ、俺言っちゃおーかなー。」
無視されたことからそう冗談を言う天元を杏寿郎は殺してしまいそうな冷たく燃える目で見た。
天「俺って本当にそんな悪いことした?」
天元がそう不満そうな声を出した時、アナウンスが響く。
皆は会話を止め、幸せを祝う集まりにいよいよ参加したのだった。