第81章 友人の結婚式と杏寿郎の考え
(杏寿郎さん、結婚式の招待状見てたな…。気を遣わせてしまったのかあ……。)
一方、桜は既にお見通しであった。
そして申し訳なさそうに目を伏せる。
(ずっと待たせておいてまた待たせるなんて……。)
桜はもどかしく思いながらも肝心な決定権が自身には無かった為、ただただ眉を寄せたのだった。
結局 欠席する正当な理由も無い杏寿郎は式に出席することにした。
自身に付けられた敬称を寿で消し、付けるべき所に付け直し、出席に丸をしたハガキを近くのコンビニのポストへ入れる。
杏(1人きりにさせるのは心配だ。忙しくなければ甘露寺に桜を頼んでみようか。)
そうして現在―――、
杏「行ってくるがくれぐれも1人で行動しないこと!!…桜、聞いているのか。」
久しぶりに長い時間 蜜璃と話せると知った桜は頬を緩めていた。
「聞いてますよー。蜜璃ちゃんから1歩たりとも離れません!」
蜜「任せて下さい!積もる話がこれでもかーって程あるので!!」
そう言うと2人は顔を見合わせて『ねー。』と微笑んだ。